けんた君。

<<一期一会>>
それは、素敵な出会いだね。

********************

ちょっと時間を掛けて、普通電車に揺られてた。
２掛けの窓際の席に座り、流れてく景色を眺めたり。最近色々ありすぎて、考えることだらけでつらいな。うまく噛み合ってないな。なんて、ひとりで考えてたり。。。

ふと、前の席から小さな男の子がひょっこりと顔を出した。
目があった。同時に、『こんにちは！』って声をかけていた。

彼は『うー』『あー♪』と楽しそうな声をだしながら、ニッコリと笑った。隣では、彼のお母さんが微笑んでいた。

そこから、ちょっと“いないないばぁ”とか“真似っこ遊び”をして構ってあげてたら、すぐに慣れてくれたのか瞬く間に仲良しになった。
彼は、けんた君。

しばらく遊んで、けんた君親子と同じ駅で降りた。
駅に着いたら、けんた君ママに『ちょうど退屈していて、ぐずりかけていたところだったの。たくさん遊んでくれてありがとうございました。』とお礼の言葉を頂いた。
私は、全然お礼をもらうような事はしていないので、何だか不思議だったよ。くすぐったい気持ち。
私の方こそ、けんた君に元気をもらったんだ。

行き先の進行方向が同じだったので、すこしけんた君ママとお話しながら歩いた。けんた君は、ベビーカーに揺られながら、一生懸命に冬の空気の冷たさや、街の景色や音を感じて色々なことを吸収していた。顔が真剣だったよ。そんな姿がすごく可愛かった。
けんた君ママに『とっても子どもが好きなんですね(*^_^*)』と言ってもらえたよ。
私は無意識にけんた君とふれあって楽しんでただけだけど、伝わっていたみたい。

交差点でけんた君親子は真っ直ぐ、私は曲がるところにきた。
けんた君に『ばいばい。また会えるといいね。』って声をかけた。彼は、急に寂しい顔をして両手を広げて私に差し出してくれた。私は小さなその手を握った。その手は『ばいばい、さみしいよ』って言ってるみたいだった。
お互いの方向に向かって歩き始めても、けんた君は私の方をベビーカーから乗り出しそうなほど見ていた。

ほんの一瞬の出来事だけど、私はけんた君から優しい気持ちをもらいました。

久しぶりにほっこりする出来事でした(*^_^*)